八十日間世界一周 上

 

 八十日間世界一周の上巻だけを読了。ヴェルヌはやはり面白いな。もし誰かの全集を読めと言われたら私はヴェルヌかな。現代の作家ではルクレジオかチャトウィンか。兎に角、旅行作家、冒険小説が大好きだ。でも、巷で溢れているノンフィクションの旅行記は所詮は現実の世界なので面白味に欠ける。実体験と創造の世界を合わせた物語が一番面白い。

 

 この本は1873年に書かれた本だ。当時はまだ民間機が普及していなかったから専ら旅行は船旅か鉄道の旅になる。今はLCCや格安航空券が出たおかげで簡単に世界一周が可能だ。以前、新書で80時間世界一周という本があったのを思い出した。移動手段こそ大分便利になったが1873年の世界もあまり現代と変わらないと思った。仲間たちと2万ポンドを賭けて八十日間で世界一周出来るから挑戦したフォッグ氏。パスポートがあって国を訪れた事を証明するために現地のイギリス領事館まで行きビザを押してもらう。 

 

 こう考えると、1930年代や1940年代はつい最近の時代にように思われる。話は物語からズレるが、第二次世界大戦はまだまだ最近の出来事なのだ。遠い昔のように思っている人もいると思うが、近代なのだ。