ロバート・ウェストールの海辺の王国を読了。
ウェストールはこれまで実体験を反映した小説を書いてきた。ドイツ軍による空襲で民家が破壊されて人々は庭に作った防空壕に身を潜めていた時代の話だ。北海を挟んでドイツ空軍がイングランドの都市タインマスを襲った。
ハリー少年の家が破壊されて一人孤児になった。両親や妹を失った。少年は海岸沿いをあてもなく彷徨った。人との出会いが彼を成長させた。偶然に出会った大切な友人のジャーマンシェパードと一緒に。
彼を自宅に招いて食事や寝床を提供してくれた老婦人。対空高射砲でドイツ機と戦うアーチーは面倒見のいい兄貴だ。そして食料が豊富に置いてある車両を無料で提供してくれた老人。
全てがいい人ばかりでは無かった。潮の満ち引きが激しく島への砂の道が満潮時にはなくなり孤島になる島で現地の少年たちに虐められたハリー。ハリーに性的な虐待をしようとするマーマン伍長。
最終的には動物好きのマーガトロイドさんに助けてもらって車で自分の街に帰ったハリー。しかし家族は実は生き残っていたのだ。別の住所に住んでいた。感動の再会の筈だがハリーは家族と住むより海辺の王国での生活を望むようになっていた。犬を捨ててこいと言う父親と兄を逃亡した卑怯者と罵る妹。
自分で生きる手段が身に付いたハリーは少し大人になって帰ってきたのだ。まだ12歳だが。






