2019-01-01から1年間の記事一覧

マンスフィールドパーク

初のジェイン・オースティンのマンスフィールドパークを読了。 高慢と偏見 (中公文庫) 作者:ジェイン・オースティン 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/12/22 メディア: 文庫

サルガッソーの広い海

ジーン・リースのサルガッソーの広い海を読了。正直に言ってちょっと難解で一回読んだだけではよく分からない印象。池澤夏樹の解説があって理解出来た箇所もあるが人物相関図が複雑で誰がミスアントワネットの父親で誰がアントワネットの兄なのか(そもそも兄…

半分のぼった黄色い太陽

アフリカから凄い小説家が出てきた。チママンダ・ンゴズィ・アディーチェだ。ナイジェリア出身の作家で今はアメリカとナイジェリアを往復する生活を送っている。本書はビアフラ戦争を取り扱った歴史小説だ。あまり聞き馴れない名前だが海外ではナイジェリア…

遠いやまなみの光

前回、レビューした浮世の画家がとても良かったのでイシグロのデビュー作でもある本書を読了。ちょっと不明瞭な部分があって正直、解りにくい作品だと思った。悦子は外国人の男性と再婚してイギリスの田舎に住んでいて、長女の景子は自殺して次女のニキとの…

華氏451度

華氏451度は映画がとても良かったので小説も読んでみた。沢山の書物からの引用があるので、本好きにはたまらない物語だ。旧訳と新訳を両方持っていたが新訳の方がいいと思う。焚書って言葉はちと古臭く新訳には相応しくないので昇火という造語を使ってたのが…

浮世への画家

カズオ・イシグロの浮世への画家を読了。彼の著書は日の名残りを読んでから2作目である。以前に充たされざる者と私たちが孤児だったころを読破しようと挑戦したが、冗長だったり時間軸が急に飛んだりして混乱して途中で読むのを諦めてしまった。しかし、本書…

世界の果てのビートルズ

またいい本に出会えた。タイトルが気に入ってずっと読んでみたいと思っていた。フォンランドとの国境付近のスウェーデン最北部の物語だ。著者のミカエル・ニエミの半自伝的小説である。スウェーデンの首都のストックホルムは縦に長いスウェーデン国土の南に…

トニオ・クレーゲル

マンの代表作は魔の山である。私の愛読書であるがマンの中編小説もすごい。トニオ・クレーゲルもまさしくマンの代表作の一つだといっても過言ではない。映画でも有名なヴェニスに死すの方が知名度は高いと思うがあの作品は年老いた男の少年愛を書いた作品で…

カフカ 城

長い読書だった。カフカの一番長い小説である城を読了。数年前に一度挑戦したが、フリーダと学校の教室で寝込む箇所で挫折したのだ。でも今回は何とか読破。測量士であるKはある村に派遣されたがいつまで経っても目的地である城にたどり着けない。松岡正剛氏…

灯台へ 再読

ウルフの灯台へは前回みすず書房から出ている訳で読んだがちょっと絶版の上に古い訳だったの改めて今度は河出書房の新訳で読んだ。今一般の書店で「灯台へ」が手に入るのは河出書房か岩波文庫かで私は迷わず河出書房の鴻巣氏の訳を選んだ。まずハードカバー…

リア王

シェイクスピアのリア王を読了。漸く、シェイクスピアの四大悲劇を全部読めた。素直に嬉しい。やはりハムレットが一番有名な作品かもしれない。オフィーリアが発狂して川で溺死する場面がミレイの絵で再現されその絵はヴィクトリア王朝時代の最高傑作といわ…

ハックルベリーフィンの冒険

いや。面白かった。毎度毎度月並みの発言で申し訳無いが面白かったの一言に尽きる。本書はマーク・トウェインの最も評価されている作品だ。以前に新潮文庫から出ている方を読んだがちくま文庫の方が遥かにいい。まず挿し絵が美しい。やはり活字だけでは少々…

テンペスト

シェイクスピアのテンペストを読了。シェイクスピアの劇作は面白い。登場人物が立派に描かれていて読んでいて感心する事が多い。ミラノ大公のプロスペローは大変慈悲深いお方だ。実の弟とナポリ王の悪巧みにより孤島に流されたプロスペローは魔法や妖精のエ…

白鯨

海底二万マイルのネモ船長は温厚で冷静な人だった。しかし白鯨のエイハブ船長は激情に駆られて自らを破滅に追い込む狂人だ。私は海洋小説が好きだ。浪漫がある上に非日常的な船乗りの世界を味わえる。白鯨はアメリカ文学の古典として有名だ。上下で1000ペー…

再読 マクベス

前回マクベスを飛行機内で読んだので、あまり頭に入ってこなかった。だから再読した。マクベスの破滅っぷりがすごい。妻に唆され、3人の魔女にも唆され最初は殺人を犯すのに躊躇してたのに終盤になると狂ったように暴れる。悲劇的な最期を遂げるマクベスの物…

背徳の人

アンドレ・ジッドの背徳の人を読了。ジッドの処女作である背徳の人は出版当時は不評だった。タイトル通り、キリスト教の教えに背く内容だからだ。主人公のミシェルは妻との新婚旅行で北アフリカ、イタリアを旅するが、ミシェルは妻を顧みずにアラブの少年に…

海底二万里

面白かった。ネモ船長との冒険の記録である。ワクワクしながら読めた。深海には何があるのだろう?海水にはどんな生き物が住んでいるのか?という素朴な疑問を考えた事がある人には海底二万里は間違いなく気に入ってくれると思う。遭難した海底に埋まってい…

水晶 石さまざま

シュティフターの短編集を読了。珠玉の短編集だった。シュティフターの精緻な自然描写は本当に素晴らしい。彼の作品はどれも森や花、川、日光、石、湖、自然の豊かさを題材にしている。本作の表題作でもある「水晶」もそうだ。クリスマスの前夜に幼い二人の…

変身 断食芸人

カフカの変身・断食芸人を読了。カフカはやはり面白い。以前に別の訳で変身を読んだがこちらの訳の方がより原文に忠実に訳されていると思う。訳者もあとがきで訳すのに試行錯誤したと言っている。20世紀を代表する作家はカフカとプルースト、ジョイスと一般…

脂肪のかたまり

モーパッサンの脂肪のかたまりを読了。面白かった。モーパッサンの短編の中で最も有名な作品である。モーパッサンの出世作だ。人間のエゴイズムがよく描かれてる。挿絵付きなのも良かった。舞台とか映画化してるならみてみたい。 脂肪のかたまり (岩波文庫) …

ソロモンの歌

トニ・モリスンのソロモンの歌を読了。面白かった。オバマ氏が我が人生最高の書と言ったのも頷けれる。600ページのほどの長編小説であるが毎日読むのが楽しみであった。長編小説は読み通すのに冗長だったり登場人物が多すぎて訳が分からなくなって混乱したり…

老人と海

ヘミングウェイの老人と海を読了。キューバ時代の最高傑作と言われている老人と海ですが、今まで何回もヘミングウェイは釣りをテーマにした作品を書きましたが本作もその一つです。多少、釣りに興味がある人では無いと、専門的な知識が何回も出てくるので難…

オセロー

シェイクスピアのオセローを読了。まず私がなぜこの本を読もうと思ったのかその経緯から話そう。ヴァージニア・ウルフのダロウェイ夫人の中に「いま死ねれば、いま以上の幸せはない 」というセリフが出てくる。実はこれはオセローからの引用で、オセローが絶…

ヘミングウェイ全短編 1 と 2

ヘミングウェイのキリマンジャロの雪を含めた短編集1と2を読了。また全短編を全て読んだ訳ではないが、本作を読む事によって少年時代のヘミングウェイやパリ時代の彼の実際の体験が色濃く反映されている。ある意味では半自伝的な作風だ。そして改めてキリマ…

スーラ

トニ・モリスンのスーラを読了。モリスンの本は時にとても難解である。それでも彼女の神話的な語り口はとても惹きつけられる。文体が叙情性があり美しいのである。本書はスーラとネルの少女同士の友情を描いた小説である。少女から大人になるまでの長い友情…

ヘミングウェイ短編集

ヘミングウェイの生き方が好きだ。彼みたいに旅をしながら住む場所を変えながら生きるスタイルに憧れる。シカゴで生まれパリで文学修業しキューバに移住しアフリカを旅しながら小説を書いた。そして自然や動物がすきだった。彼は少年時代から狩猟が好きで作…

魔法の樽

バーナード・マラマッドの魔法の樽を読了。短編集だがどの作品も非常に面白かった。翻訳は新訳だそうだそうでとても読みやすかった。マラマッドの作品は今まで何回も訳されていて多くの翻訳者たちが彼の作品を褒め称えている。本作家に限ったことではないが…

本を読む人

今年最初の本だ。いい本を読んだ後の読後感に浸っている。パリ郊外に住んでいる貧しいジプシーの大家族は母1人、成人した子供5人、その嫁の義理の娘4人、孫8人でキャンピングカーの中で荒れ果てた土地に暮らしている。当然、子供達は学校にも行っていたいの…

チェコ、プラハに行ってきた!

もう50ヶ国ぐらい旅行に行っている。旅するのが疲れる時もあるがそれでも旅をするのが楽しいのだ。まさか自分がこんなに沢山の国を旅行で来たなんて信じられない。とても幸運だったと思う。まだ行っていない国も沢山あるが、ひとまずちょっとしばらく旅行に…