2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

百年の散歩

多和田葉子の「百年の散歩」を読了。空想好きの語り手がベルリンを散歩する。都会は刺激に満ちている。異文化のサラダだ。特にベルリンは世界有数のコスモポリタンシティーだ。著名な学者の名前がストリート名になっているベルリンでは多くの歴史や文化に触…

ブラッカムの爆撃機

ロバート・ウェストールの「ブラッカムの爆撃機」を読了。いやあ絶品。宮崎駿のカラー画に翻訳者はベテランの金原瑞人。何とも贅沢な作品。しかも大型の本なので宮崎駿の画をじっくり鑑賞できる。やはり活字だけでは物足りない。 タイトルの「ブラッカムの爆…

素晴らしきソリボ

パトリック・シャモワゾーの素晴らしきソリボを読了。カリブ海の文学だ。すごい。世の中、知らない事がまだまだ沢山ある。クレオール語は私にとって未知の言語だ。シャモワゾーはクレオール文学の草分け的存在だ。今も自分の故郷のカリブ海にあるフランス県…

雪の練習生 多和田葉子

厳冬の冬の日には寒い本を読みたくなった。今の季節にぴったりの本を読了。「雪の練習生」はホッキョクグマの物語だ。多和田氏の筆力というか創造力がすごい。三つのお話に分かれていて、一話目の「祖母の退化論」では引退したサーカスの曲芸師のホッキョク…

偶然 アンゴリ・マーラ

いや。圧巻。絶版になっているのが勿体無いぐらい面白い。偶然は帆船アザールの冒険とアンゴリ・マーラの二つの作品を収録しているが、両方ともカリブ海の国々を舞台にした小説だ。僕は断然、アンゴリ・マーラの方が好きだな。アザールの方は話がちぐはぐで…