幸福な王子 オスカーワイルド

 オスカーワイルドが大好きだ。タブリンを旅行中に彼のポストカードや彼の写真を街中で至る所に見掛けた。アイルランドでとても尊敬されている偉大な作家なのだ。顔もハンサムだしとてもお洒落さんなので何だか見惚れてしまった。ワイルドはダブリンの上流階級の家庭に生まれオックスフォード大を優秀な成績で卒業しそして次々に話題作を出版した。家柄もよく秀才でそして人格にも優れているので多くの人々から憧れの存在だったに違いないと思った。彼の代表作はドリアングレイの肖像と幸福な王子である。幸福な王子は自己犠牲の物語で王子の像が燕に自分のサファイアやルビーを乏しい人々にあげるように頼み王子自身はボロボロの姿になってしまのだ。この物語を読んでいて軽い既視感を覚えた。子供の頃に読んだクレヨンしんちゃんで全く同じストーリーがあった。そうかぁと思った。原作はオスカーワイルドの幸福な王子だったのかと。本を読んでいると思いもよらぬ所から繋がる事がよくある。とても短い小説なのでクレヨンしんちゃんに限らず幸福な王子は他にも沢山の絵本になっている。
この短編小説集はプライベートでも豪奢な生活を愛したワイルドの性格がよく表れていると思う。非常に上品な印象を受けた。

 

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)