シェイクスピアのリア王を読了。漸く、シェイクスピアの四大悲劇を全部読めた。素直に嬉しい。やはりハムレットが一番有名な作品かもしれない。オフィーリアが発狂して川で溺死する場面がミレイの絵で再現されその絵はヴィクトリア王朝時代の最高傑作といわれている。私は個人的にはオセローが一番好きだ。嫉妬をテーマにあれだけ優れた戯曲は他に無いと思う。最後の全く予想外の結末も素晴らしかった。しかしリア王もオセローに負けず劣らず好きな作品だ。何ていうか、リア王に限らずシェイクスピアの作品は粗筋がよく出来ていて必ず伏線を回収して辻褄がよく合っている。つまり最初から最後まで完璧な作品が多いと思う。
老いたブリテンのリア王が長女と次女に財産や地位などの自分の持っている物を全部上げたのにも関わらず裏切られ嵐の中、王城から閉め出され路頭に迷う。そんな中、助けてくれたのは実直な性格でリア王と対立し一切の財産も領土も受け取らなかった末娘のコーディリアだった。本作は四大悲劇の中でも一番多くの人が争い死ぬ。最後の次々に登場人物が亡くなっていく様子はやや無理がありリアリティに欠けていると思ったのであまり物語の世界に没頭出来なかった。その点ではオセローの驚愕するが立派な主人公の死に方の方が私は好きだった。一般的にはハムレットかリア王が最もシェイクスピアの作品の中で人気があると思う。だから一度は読んでおいた方がいいと思う。
- 作者: W.シェイクスピア,William Shakespeare,松岡和子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/12/01
- メディア: 文庫
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