コンゴ・ジャーニー

 

 物凄い密度が濃い探検記。四半世紀前に書かれた本だが全く色褪せない面白さがある。幻の恐竜を求めてコンゴの湿地雨林を探検する。物語はコンゴ民共和国(現在のコンゴ共和国)の都会のブラザビルから始まる。そこから一気にコンゴ川の上流を遡る。水路は丸太船を使い、陸路はピグミーに案内してもらう。この探検記は決して一人では実行不可能だ。地図にも乗っていない森深くに進む。仲間がいないとまず無理。アメリカ人教授の相棒がいるし、心強い味方のコンゴ人のマルセランがいる。分からない事があればフランスとキューバに留学経験のあるマルセランが教えてくれる。

 

 コンゴの人々にオックスフォードで買ってきたタバコやナイフ等のお土産を用意してくる著書に好感が持てる。オハンロンのアフリカ人への人種的偏見がないのは喜ばしい事だ。

 

 オハンロンの行き当たりばったりの日々が面白い。長期ビザを手に入れるのに一苦労したりマラリアに罹ったりコンゴの旅は簡単ではなかった。最初の船旅では乗る船が頼りない。丸で巨大な筏のようだ。毎回この船旅では死者が出るという。

 

 コンゴには独自の慣習があった。呪い師や占い師に助言を求める文化があり勿論、一夫多妻制がある。主食はレイヨウの肉とマニオクとやし酒。湿地雨林にはピグミーが住んでいる。ピグミーの狩の成功を祈る踊りも興味深い。