マルタ共和国に行ってきた! 🇲🇹

 もうかなり疲れているけど旅行は続けている。ジョブズはGo to travelと言ったから私はジョブズの言葉に影響を受けて旅をしている。ただお金がもう底を尽きたので今年はもう旅行に行けない。体力的な問題もある。月一でヨーロッパを往復するのは疲れる。鬱病も抱えているので尚更疲れる。抗うつ剤を飲みながら旅行している。今回の旅行で33カ国目だが50カ国を訪れるのが当面の目標である。貯金がほとんど無いのでこれから旅をするのが難しくなるが50ヶ国の目標は諦めていない。

 マルタは南イタリアに位置する小さな島国である。南イタリアの温暖な気候と地中海の美しい海に囲まれて大変過しやすい快適な都市だった。首都のヴァレッタ世界遺産にもなっていて中世のヨーロッパの街並みは優雅である。

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トーマスマン 魔の山 再読

 魔の山は私の読書遍歴の中で特に好きな作品だ。 だから今回再読する事にした。最初は高橋義孝氏が訳した新潮文庫で読んだが、今回は岩波文庫で読んでいる。名著は数多くの翻訳があるので自分にあった翻訳者を見つけて読めるのがいい。実をいうと今ドイツのミュンヘン魔の山を読んでいる。オクトーバーフェストでも有名なとても洗練された都市だ。マン自身も長くミュンヘンに住んでいたので魔の山はこの地で書かれたのだ。マンの芸術的なセンスもミュンヘンの街で磨かれたのだろう。

 主人公のハンス・カストルプは友人のヨーアヒムを見舞うために3週間の期間だけスイスのダボスの山奥にある療養所で生活する事になる。短期間の予定だった滞在だったがカストルプ青年がレントゲンの診察を受けた結果、彼自身にも病巣が見つかり徐々に入院生活が延びていく。この療養所を舞台に教養主義者で文学者のセテムブリーニやカストルプ青年が想いを寄せるショーシャ夫人や多くの個性的な人物と出逢い人間的に成長していくのだ。

 マンの生きた時代は激動の時代だった。ヒトラーが政権を握ると反ナチスの立場を示していたマンは国籍を剥奪された。アメリカ移住後もヒトラーナチスを打倒する声明を発表する。その後マンは二度とドイツに足を踏み入れる事は無かったが彼は終生、伝統的なドイツ文学にこだわっていた。魔の山にもゲーテの作品の引用があるのでうかがい知れる。

 私自身、集中力と体力が足りず非常に遅読なのでゆっくり下巻も読んでいくとこにする。下巻も700頁近くある大著なので読むのが楽しみだ。

 

魔の山〈上〉 (岩波文庫)

魔の山〈上〉 (岩波文庫)

 

 



ドイツのミュンヘンにあるノイエ・ピナコテークに行ってきた!!

 また旅行に行っている。そろそろ貯金も尽きてきたのでもう今後は頻繁に行けないかも知れないが、でももう30カ国以上沢山の都市に行ってきたので満足しているし後悔も無い。今、ドイツのミュンヘンにいるのだがやはりヨーロッパ旅行中は美術館に行くに限る。たとえ知らない画家でも美術館の雰囲気が好きだし絵を観ると気分転換にもなる。精神にいい影響があるのだと思う。基本的に私は食べて寝ること以外のことは全て苦痛に感じるので気分転換が必要なのだ。ノイエ・ピナコテークに行ってきたが中々立派な美術館だった。印象派の作品も多い。

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ターナーの作品

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モネの作品

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ゴーギャンぽくないゴーギャンの作品

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ロダンの彫刻も何点かあった

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点描画

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ポールシニャックの点描画。自分も真似して描いてみたい

 

ヴァージニア ウルフ 燈台へ

 ウルフは私の好きな小説家だ。自分と価値観が似ているからだと思う。彼女に唯一残された快楽が食べる快楽だったのにとか。(ダロウェイ夫人より) 嫉妬の苦しみ(ダロウェイ夫人より)とか。ウルフ自身は10代の頃から母親の死をきっかけに精神に異常をきたし、それは生涯続いた。何回かの自殺未遂を起こし最終的に入水自殺で自らの人生を終えた。フォースターともブルームズ・ベリーグループの集いを通して繋がっていた。ウルフの小説はとても前衛的である。内面の美を描き従来のディッケンズやトルストイ写実主義とは全く異なる方法で小説を書いた。プルーストに近いと思う。プルーストは比喩的な表現が多いのに対してウルフは「意識の流れ」という手段を使った。彼女の作品はモダニズム文学と呼ばれているが、現在でも衰えることのない新しさを保っている小説である。彼女の作品は「ダロウェイ夫人」と「燈台へ」が代表作であり両方とも、とても美しい作品だ。「ダロウェイ夫人」はロンドンに住む人々のあるパーティーが行われる一日をそれぞれの人物の内面を描いた小説だったが、燈台へはスコットランドの孤島の別荘が舞台であり物語はラムゼイ夫妻と息子のジェイムズが明日燈台へ行きたいと話し合っている場面から始まる。この別荘には多くの友人が行き来する。哲学者のラムゼイ氏を崇拝するチャールズ・タンズリや画家のリリー・ブリスコ、ウィリアム・バンクス氏などである。「ダロウェイ夫人」と同様に各章によって語り手が変わってくるのがこの小説のスタイルだ。ラムゼイ夫人の視点を通して景色や人物が語られる時もあれば、リリー・ブリスコの視点ではみえる世界も異なる。登場人物が相手の事、また相手からみた自分のことをどうみえるのか、語り手が変わるとこのような面白さもある。小説の大部分は各人物の内面の描写でそれは比喩的な時もありとても美しい。私が耽美的な小説を読んだ時によく思う読み心地の良い作品だ。いくつか翻訳もあるのでまた違う訳者のを読んでみようかと思った。本書の翻訳も大変素晴らしいが。兎に角よく出来た小説なのでまた再読したい。

 

燈台へ (ヴァージニア・ウルフ・コレクション)

燈台へ (ヴァージニア・ウルフ・コレクション)

 

 

 

失われた足跡

 カルペンティエルの失われた足跡を読了。勿論、メキシコ旅行中にラテンアメリカ文学を読もうと思い本書を買った。都会で虚しい生活をしていた音楽家が幻の楽器を手に入れるために密林への足を運ぶ冒険小説だ。元々カルペンティエルは音楽の評論家らしく本書の中にもかなりの音楽の楽器の専門知識が出てくるので途中何がなんだがさっぱりわからなかったがそれでもボートで南米のアマゾンの奥深くに冒険する姿は面白くないはずがない。現在の文明社会からは取り残された原住民との交流。アマゾンの自然の豊かさや厳しさを乗り越えて幻の楽器を手に入れるのだ。アマゾンの秘境に地図には載っていない村がありそこで主人公は旅先で出会った恋人と一緒に生活し本来の音楽家である彼が作曲活動に没頭する。主人公の妻が彼の行方が知れず心配し捜索願いが出される。ヘリコプターが彼が住んでいる村を見つけようやく現在の都会に帰ることになる。正直にいってダラダラ読んでいたので人物の名前や時系列はよく覚えていないがまあ最後まで読む価値のある小説だと思う。筆者のカルペンティエルはヨーロッパ人のなので(長い時間南米に住んでいた)果たしてこれを本当のラテンアメリカ文学といっていいのかは疑問だが密林での描写は筆者の南米のジャングルでの調査旅行を基に書かれた実体験である。訳者の牛島信明氏の翻訳は良く、メキシコ旅行中にドン・キホーテ博物館に行ってきたので牛島氏の翻訳のドン・キホーテも読みたいと思った。

 

 

 

メキシコに行ってきた!!!(アイフォンを盗まれた!!)

 ちょっと睡眠導入剤を飲みながら旅行には行っている。もう心身ともに疲れ果てているが旅行は続ける。旅行自体は楽しい事だけど辛い時も勿論ある。唐突に訪れる理不尽にあってとても落ち込む時がある。自分のメンタルの弱さにびっくりするが何とか薬でカバーしている。今回はメキシコに行ってきた。中南米の国に行くのは初めてである。アエロメヒコ航空で直行便が出てると聞いて行くしかないと思った。ろくにスペイン語も喋れないまま行ったが、案の定、英語はあまり伝わらなかった。でも今回の旅行はとても充実していた。世界遺産だけでも5つも行ったし6つの都市に滞在したのでかなり移動の多い忙しい旅行になった。だから疲れがあったのか、慣れて油断してたのかバスターミナルでアイフォンを盗まれたのだ。もう6年使っていた携帯でそろそろ買い替えようと思ってた頃だったのでまあそんなに気にしてないけど。でももう後ろのズボンのポケットに入れるのは辞めておこうと思った。

 やはり実際に行って現地を探索する事によって気づいた事が沢山あった。メキシコの物価の安さやメキシコ人の厚い信仰心など。人々が教会の前を通る時に必ず十時を切る姿を何回も見かけた。またスペインの植民地だったのでヨーロッパ風の美しい建物が沢山あった。私もスペインに行った事があるのでメキシコのコロニカル都市のプエブラやグアナファトは確かにバルセロナマドリードに似ているなと思った。またメキシコ人の陽気な国民性はスペイン人の明るい性格と通じるものがある。アジア的価値観とは全く異なる価値観を持つ中南米の人達とのコミュニケーションを取ることは難しく感じたし私が彼らの習慣にあわせていく必要がある。でも初めてのラテンアメリカへの旅は新鮮でもあり面白い体験だったと思う。

 

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世界遺産テオティワカン。。あまりの大きさに近くからは写真にも全てが映らない。頂上まで登るのに疲れ切ってしまった。個人的にはやや殺風景で物足りなさを感じた。

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ケレタロの美術館の絵。無名の画家の絵だと思うけど美術館の建物自体は立派で絵も素敵だった。でもケレタロのバスターミナルで携帯を盗まれたしタクシーの運転手やバスのスタッフも釣り銭を誤魔化したりあまり親切ではない。ケレタロは治安が悪い印象を受けた。

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メキシコを代表する画家のフリーダとリベラ。

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リベラの壁絵は圧巻。

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タスコの街並み。メキシコの人々はとても信仰深い人達で街の至る所で教会を見かけた。

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メキシコといえばタコス。街を歩いていればどこにでもタコスの店があるメキシコ料理の定番。すっかりハマって沢山食べ歩きをした。美味。

 

 

インドへの道

 フォースターの代表作でもあるインドへの道を読了。彼は異なる価値観を結びつける事を主題にしてきた作家だ。今回も同様にイギリス人とインド人、支配者と被支配者をどうやって宥和できるかという非常に難しい問題に取り組んだ。 私はインドとイギリスもどっちとも好きな国だ。両方の国にも旅行に行ったことがあるので現地の人達の性格も多少わかる。イギリス人は皮肉屋で階級社会で世界中を支配してきたというプライドがあり神のように傲慢な態度をとる。イギリス旅行中はイギリス人は冷たくて個人主義的な人達だなとしか思わなかったがそれでもイギリスへの憧れは消えない。一方、インドはカースト制度があり女性の社会進出はまだまだ遅れている。私はインドには過去二回渡航しインド人の優しさや親切心を知っているのでインドを舞台にした小説は大変面白く読む事が出来た。インド人医師のアジズとフィールディング学長との友情は素晴らしい。フォースターはなぜここまで東洋的な性格を理解出来たのだろうか。勿論フォースターがインドに複数回、足を運びインドの文化に直に触れたのが要因だろうが、エピグラフにもされている彼のインド人の友人の存在が重要だろう。フォースターはインド滞在中にマスードというインド人弁護士の家に厄介になっていた。一方マスードがイギリスに来てオックスフォード大で勉強している時に2人はスイス旅行に行ったりしてる。そして彼らの親交があってこのインドへの道が書かれたのだ。話を小説に戻るが私は同じアジア人としてアジズ医師に非常に共感した。特に西洋への捉え方が。西洋人は肌の色も違うし喋る言語も違う全く異質の存在なのだ。おまけにインドはよそ者のイギリス人に支配されながら生活しなければならない。その事についてはとても不満がある。また一方ではイギリスにとても好意をもっている。呪文で解決出来ない問題は医学で解決するのを教えてくれた。またイギリス人たちとの友情も大事だ。その存在がフィールディング学長と同様にムア夫人である。ムア夫人の息子のカレンダーは傲慢でインド人を見下している嫌な男だ。殆どの在印のイギリス人は仕事の付き合い以外においてインド人との接触をを持とうとせず寧ろ軽蔑すらしている。しかしムア夫人だけはアジズ医師を心から良く思っている。だからアジズは個人的な関係においてはとてもイギリス人が好きなのだ。小説の中でのインドの季節や自然、食事、生活スタイル、宗教、遺跡などの描写はとても正確に書かれていると思う。実際に私のインド旅行の体験と照らし合わせてみて尚更そう思う。 フォースターは当時91歳まで生きた大往生した人物だがインドは彼にとって特別に思い出のある場所なのだと思う。また再読したい。

 

インドへの道 (ちくま文庫)

インドへの道 (ちくま文庫)