キャサリン マンスフィールド

 キャサリン マンスフィールドの短編集を読了。マンスフィールドはヴァージニアウルフの交友関係を調べてたら彼女の存在を知った。一言で言って非常に優れた小説家だなと思った。人生の悲哀とか孤独を絶妙な文章で描ける作家だ。マンスフィールドの小説修業はアントン・チェーホフの影響が強く確かに彼女の作品は読んでいてチェーホフに似ていると思う。でも彼女にしかない独創性を感じた。本書には15編の短編が収録されていてどれもよく上手く書かれていて読んで良かった。特に彼女の出身地であるニュージーランドの海を舞台にしている「湾の一日」の自然描写はとても美しい。登場人物も愉快で面白い。マンスフィールドは終生病弱で僅か34歳の若さでこの世を去った。本作品以外にもちくま文庫からも短編集が出版されているのでそちらも読んでみようと思う。彼女の残した作品はこれからも読み継がれていくだろう。

マンスフィールド短編集 (新潮文庫)

マンスフィールド短編集 (新潮文庫)