魅惑のヴィクトリア朝 アリスとホームズの英国文化

 丁度、ヴィクトリア朝時代のイギリスの小説や絵を観ていたら本書に出会った。オスカーワイルドやジョンラスキンやラファエル前派が活躍した偉大な時代である。つくづくイギリスは凄い国だなと思う。今年の2月にロンドンに旅行に行ってラファエル前派のミレイのオフィーリアを観て満足して帰ってきたのだが実は現地で嫌な人種差別に何回か遭遇したのだ。ウィリアム・ターナーヴェネツィアの大運河も強く印象に残ったがイギリスなんかもう二度と来るもんかと思った。それでもやはりイギリスには感嘆せずにはいられない。どうしてこんな日本よりも小さい島国が世界中を植民地支配出来たのか。科学や文学、芸術もスポーツも音楽も、常に先端を行き新しい物はイギリスから次々に産まれた。世界初の蒸気機関車もイギリスから生まれ産業革命で世界中に影響力を広めた。世界共通語の英語もイギリスから誕生した。兎に角、神の化身というか授かった力が日本とは比にならないのである。

 フランス文学の巨匠のプルーストラスキンの影響を受けていたし、印象派のモネ本人は認めていないがウィリアム・ターナーの作品からの影響は否めない。源流を辿ればやはりイギリスなのだ。そのイギリスのヴィクトリア朝時代にフォーカスした本書は大雑把に中々よくまとまっていて楽しく読めた。

  第1章はヴィクトリア女王について書かれ第2章のディケンズのクリスマスキャロル作品について書かれ第3章は詩人のテニソンとラファエル前派について第4章はルイス・キャロルについて書かれ第5章はシャーロックホームズについてである。ちょっとした新書サイズの入門書なので多少勉強になった。