アフリカ人学長、京都修行中 ウスビ・サコ

 

 この本を読んで京都に旅行に行きたくなった。30年京都に住むサコさんが京都を論じる。世界はグローバル化の真っ只中、多様性が謳われる中、京都の伝統は生き残っていけるのか。生き残るには時代に順応して変化していくのが大切。伝統とイノベーションの融合だ。

 

 サコさんほど、京都人っぽい人は他にいない。彼の故郷は西アフリカにあるマリ共和国。一夫多妻制の国でイスラム教を信仰する。日本とは全く違う文化の国だ。始めは建築学を学ぶ為に中国の南京で勉強をしていたが、天安門事件の影響やもっと自由に建築を学ぶ為に来日。ひょんな縁で京都に移り住む事になった。片っ端から日本の大学に自分を受け入れてくれる研究先に連絡して京都大学の教授がサコさんを受諾してくれた。だから全くの偶然だった。もし受け入れ先が大阪や神戸に大学ならまた違った人生を送っていた。

 

 サコさんの京都への愛が素晴らしい。鴨川で等間隔で座るカップル達の姿。八ツ橋や西陣織などの京都の伝統文化。京都の街を歩いているだけでも楽しそうだ。