戦場を歩いてきた

 佐藤和孝の戦場を歩いてきたを読了。私は学生時代からチェチェン戦争とかアフガニスタン戦争とか日本からは遠く離れた異国での出来事にとても興味があった。チェチェン戦争関連ではアンナ・ポリトコフスカヤや常岡浩介の著書も読んでいた。多分、戦争ジャーナリストに憧れていたのだろう。今回の佐藤氏の著書では、イラクアフガニスタンウクライナでの戦場を取り上げている。今の時代は専ら映像が主流だが、写真も使っている。本書には豊富なカラー写真が掲載されているのでより戦地のイメージが鮮明に伝わってきた。ウクライナとロシアの関係が悪いのはむかしからで親露派とウクライナ派で真っ向から対立している。どこの国も隣国は仲が悪いのだと知った。もう40年以上戦禍に見舞われているアフガニスタンに平和はやってくるのだろうか。佐藤氏はもう何十回もアフガニスタンに訪れ取材しているが、イスラム教の一夫多妻制や敵討ちの風習や女性の公共の場でのブルカの着用の義務付けは未だに残っていて自由がない。私みたいな凡人には何も出来ることは無いが、世界で何が起きているのか知りたい気持はある。佐藤氏はアフガニスタンを第2の故郷というが戦地の市井の人々を撮った彼の写真作品はとても素朴で美しかった。