ハルーンとお話の海

 初めてサルマン・ラシュディの著書を読んだ。児童文学のカテゴリーにこの小説は当てはまるが、大人も十分に楽しめる物語だ。不思議の国のアリスに出てくる、トランプの兵隊を模した様な紙の兵隊が出てくる。スーパーマリオブラザーズクッパに捕まったピーチ姫みたいに敵のアジトの砦にある城の頂上には囚われのパーチク姫がいる。王道のファンタジー小説だ。愉快で奇想天外な仲間達が沢山出てくる。水の妖精のモシモは玉ねぎのような紫色のターバンを頭に巻いている。ハルーンをオハナシーの惑星に連れて行ってくれる仲間だ。ヤツガシラのデモモは鳥の機会だがハルーンを全力でサポートしてくれる。

 

 まずタイトルを読んでお話の海?と疑問に思ったのは僕だけではないだろう。海のお話ではなくて?

物語を読まなければこの題名の意味は理解できない。お話の海がオハナシーという名の惑星にある。イッカンノオワリが率いる闇の集団にお話の海が汚染されている。ハルーンの父のラシードはお話の海から供給されたエネルギーで楽しい物語を喋るまくるストーリーテラーだった。お話の海が汚染されてしまってラシードは楽しいお話を喋れなくなってしまった。イッカンノオワリを倒す為に、お話の海を救い父親の物語る力を取り戻す為にハルーンの冒険が始まる。