タリバンの眼 戦場で考えた

 

 ジャーナリストの佐藤和孝氏の著書。今までチェチェンやシリア、アフガニスタン等、世界の紛争地帯を取材しているベテラン。中でもアフガニスタンの地域はほとんど訪れている。

 

 シーア派スンニ派、宗教の対立やらパシュトゥン人とハザラ人の民族間の対立。アフガニスタンはとても複雑。敵討ちの文化がある。そこにアメリカや西側の介入があったたらもっと混乱するのは当たり前。中村哲氏のような現地の習慣や文化に溶け込んでくれる人がもっと必要なのだ。

 

 世界の紛争地帯や戦争が起こっている場所では日々、子供や女性が無実の市民が死んでいる。不合理なめに遭っている人たちの姿を伝えるのがジャーナリストの仕事だ。本当に命懸けなのだ。佐藤氏の公私に渡るパートナーだった山本美香さんは2012年にシリアのアレッポで銃撃され亡くなった。

 

 2021年に米軍がアフガニスタンを全面撤退した後にタリバンが首都カブールを制圧。タリバン政権が誕生した。アフガニスタンには深刻な旱魃があって資源もない。争い事なんてしている暇はないのだ。タリバンに加入する若者たちの理由は仕事がないから。生きる為に仕方なくタリバンに入る。