トルストイ 文読む月日 上

トルストイの代表作といえば戦争と平和だっりアンナカレーニナだったり膨大な長編小説で読破するのに時間が掛かる。正直にいって読むのが億劫だ。でも文読む月日は短編も入っているので大変読みやすい。トルストイの短編を読むだけでも十分に彼の魅力に触れられる。謙虚、隣人愛、反戦主義ベジタリアンの精神、動物へ愛情、寛大、弱者への同情だったりトルストイの思想の集大成が本書である。 数多くの偉人たちの金言を365日一年を通して日付式で毎日読めるように書かれている。だから所々拾い読みしても構わない。今日の日付の箇所だけ読むだけでもいい。一週間の読み物だけ読んでも面白い。
訳者の北御門二郎氏はトルストイの思想に共感し兵役を拒否、故郷の熊本の山に籠りトルストイの言う通りに農業に励みながらトルストイの書物の翻訳に没頭した。彼が一年数ヶ月を掛けて翻訳した本書は長年読み継がれていく大切な書物になったと思う。上巻は1月から5月まで。最後の頁のレッシングによる金言が一番、印象に残った。
感謝の喜びこそ最大の敬神である。レッシング。