ダブリナーズ

 本当に久しぶりの読書である。最近はランニングとウォーキングを趣味にしていて読書に気持が行かなかった。元々読書が苦手だったのもある。集中力が続かないのだ。それでもダブリナーズを読んだ。面白かった。その一言に尽きる。私が2年ぐらい前にタブリンに旅行に行った経験があったので尚更、物語の世界に没頭出来たのだと思う。ダブリンはとても美しい都市で人も親切で最高の旅行だった。その時はダブリン出身のオスカーワイルドをよく読んでいたが同じくダブリン出身のジェイムズジョイスはよく詳しくは知らなかった。アイルランドと言えば他にノーベル文学受賞者のサミュエルベケットガリバー旅行記で有名なジョナサンスウィフトがいる。人口が500万人ほどの小さな島国で多くの偉大な小説家を輩出している文学大国なのだ。
作品は多数の訳書があるが、新訳の柳瀬氏ので今回読んだ。訳者は本書のあとがきを読めばわかるが性格的にやや難ありではあるが訳自体はとても素晴らしい。タイトル通りダブリンの人々の生活を描いた短編小説である。ダブリンの旅行経験もあり読書中何回も旅の記憶が蘇ってきた。ダブリンの川や橋、トリニティガレッジも物語の中に出てくるので自分の頭の中で場所を特定出来たのも嬉しい。ダブリナーズはジョイスの代表作ではないかも知れないが非常に優れている短編集で何回も読み返して楽しみたいと思う。どの短編もとても緻密に正確に出来ている。これを機に若き芸術家の肖像とユリシーズも読みたい。

ダブリナーズ (新潮文庫)

ダブリナーズ (新潮文庫)