夜と霧

 初版は2002年ではあるが私が購入したのは2016年の29刷のである。これだけ長く読み継がれている歴史的な名著なのだ。著者のフランクルは心理学に精通した人で学生時代にはフロイトに師事していた。学術的な専門用語も頻出するのでしっかり噛み砕いて読まないと理解出来ない。強制収容所でのいつ死ぬかわからない過酷な状況下でフランクルは内的な力で外的な圧力を乗り越えたのだ。収容所での凍死するような寒さや強烈な飢えの苦しみを彼は未来に目標を持つ事によって打ち勝ったのだ。本書にはこのような文言がある。「まっとうに苦しむ事は、それだけでもう精神的に何事かを成し遂げる事なのだ」もう一つ印象に残ったのは「わたしたちが生きることから何を期待するかではなく、生きる事がわたしたちから何を期待しているかが問題なのだ」っとフランクルは収容所で自分の思考を働かせ生き残るための知恵を身に付けたのだと私は思う。

 

夜と霧 新版

夜と霧 新版