今まで短編小説は宮沢賢治の作品ぐらいしか読んでいなかったが、モーパッサンの短編は非常に面白い。最初にモーパッサンの代表作である「女の一生」を読んで彼のペシミズム的な世界観に魅了された。あまりフランス文学はバルザックの短編とプルーストぐらいしか読んだ事は無かったがモーパッサンこそがフランス文学の代表者と思った。トルストイはモーパッサンの「女の一生」を高く評価しユゴーのレミゼラブル後に書かれたフランス小説の傑作だと褒めていたし当時のヨーロッパでのこの小説は大変売れた。でもやはり私は彼の短編小説の方が好きだ。「女の一生」はモーパッサンの短編を繋ぎ合わせた印象があって全体的に一つにまとまってない気がした。全体の構成が計画的に練られてないという気がする。でもこの作品からモーパッサンの他の作品にも興味を持てたので読んで損は無かった。モーパッサン自身が短編の小説家と知られているのでやはり私もそちらの方が好きだ。文筆家になる前はパリで政府の役人として働いていたのでパリを舞台にした短編も多い。特にセーヌ川やシャンゼリゼ通りが物語の中に出てくるとワクワクしながら読めた。私もパリに旅行に行った経験があるのでそれを思い返しながら読み物語の世界に没頭した。取り敢えず読んでよかったと思える作家さんです。
- 作者: ギ・ドモーパッサン,Guy de Maupassant,山田登世子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/10/07
- メディア: 文庫
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