巨匠とマルガリータ

 読み始めたら止まらない。そんな面白い小説である。池澤夏樹の世界文学全集で初めて「巨匠とマルガリータ」を知ったのだが、今まで読んできたロシア文学とは違う全く新しい奇想天外小説だと思った。ラテン文学のマジックリアリズムに通じる非日常的な面白さがあった。モスクワを舞台に箒にまたがり縦横無尽に空を飛ぶ女主人公のマルガリータや悪の魔術師ヴォランドの手下の黒猫のベゲモートの暴れっぷりは読んでいて楽しかった。ロシアでは映画化や舞台化もされているし世界各国で翻訳され多くの人々に愛読されているので世界文学に相応しい作品だと思った。というより池澤夏樹氏の影響力が強過ぎて彼の紹介している作品しか最近は読んでいないのでちょっとまずい。自分自身で選んだのをブログに載せなければ。